共に居ることを運命付けられたから俺たちは双子として生まれたのだろうか。





それとも愛しあうことを赦さないカミサマが、俺たちを引き離すために双子として産みおとしたのだろうか。






でもね。
カミサマ。





俺たちは知ってしまったから。




互いの熱と、狂おしいほどの愛を。






離されても、永遠に求め続けているのは彼だけだから。








だから、俺は、罪となじられようと彼だけしか愛さない。







養子に出され、双子の兄と引き離された俺は、平面上は和やかにへんてつもなく育った。


何処にでもいるような高校生を演じ、両親の期待に応え、元の家族のことを気にしているそぶりなどひとかけらも見せず、俺はみかけだけなら平穏に暮らしていた。









心は何時だって叫んでいた。







「ユキっユキっ会いたい!会いたい!」




子供みたいに泣き叫んで。貴方の名前を必死に何度も呼んだ。





忘却は俺を救わない。

貴方を忘れるなどありえない。
彼は俺の全てなんだ。








会いたい。






会いたい。






声が聞きたい。








また俺を見つめて。






また俺を呼んで。








愛していると言って。







愛しているといいたい。







ユキ……

ユキ……!







「あっは、はっ。は……」







俺たちはあのとき体をひとつに繋げた。
それが俺たちにとって当たり前であったから。
ひとつになって溶けあうのは、ただの情欲の発露ではなく、深く繋がることでの安堵を得たかったのだ。






「んっユキ……いっちゃっでちゃっ……!」






ねえ、君は俺を思いながら何をしている?
俺は、貴方を思いながら虚しい喪失を繰り返している。








「……はっ……あっはぁんっっ」






愛しあうことだけなら言葉で足りる。
愛しあうことだけなら心だけで足りる。







「……!」





心の交わりがが愛をうむなら、体の交わりは安堵を生む。






愛しあっていたから俺たちは体を重ねた。
愛しあうことを確かめるために俺たちは体を重ねた。








誰よりも信じ誰よりも愛しているのに。
誰よりも疑い誰よりも怖かった。







自分への思いがほんものなのか。
自分はほんとうに愛されているのか。






愛しているが故に疑う。



心がはなれていくのが恐ろしいから。




それだけ深く愛してしまったから。





それを、俺は馬鹿だと思わない。






本当に愛しているなら、その愛を疑わずにいられるという考え方もあるだろう。






けれど幸村と俺は本質の違う、まったく別の人間だから、その奥になにがあるかなんてわからない。





違う人間を思っているのかもしれない。自分を本当に愛してくれているのか知りたい。







知りたいが故に。






直に心に触れたいと願い、





形の見えぬ心に触れることは叶わぬから、






体を深く繋ぎあわせることで。





"ナカ"にある魂とかいうやつに触れたような錯覚を抱き。







互いの熱に溶けあって、
ひとつになって、
相手の心に触れたような言葉にできない感触を得て、








安堵するのだ。








「ユキっああっユキいっっ」






ねえ、君は俺を思いながら何をしている?
俺は、貴方を思いながら虚しい喪失を繰り返している。




一度達してもそれだけでは満足できず、俺はもう一度熱の塊を扱きだした。








ねえ、君は今、俺を思っていますか?
俺は貴方を思いすぎて狂ってしまいそう。








貴方は他の女に微笑みかけていないか。
貴方は他の誰かに恋していないか。
貴方は他の者と体を重ねていないか。







嗚呼、不安と嫉妬で狂ってしまいそうだ。







ねえ、カミサマ。
教えてください。






今、あの人の心が誰にあるのかを。












知らないから知りたくなる。



知ってしまったら、もっと好きになる。


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07.05.22