黒幸
R18
壊れるまで抱きしめて、
壊れても永遠に俺のもの。
部屋の隅で脅える佐助を、幸村は優しい声で呼んだ。
幸村と決して目を合わせようとはせず、ちらちらと横目で伺う佐助に、幸村は手招きをする。
「ほら、佐助。来るんだ」
佐助は首をふり、部屋の隅で体をぶるぶると震わせている。大きく見開かれた目には大粒の涙がたまっていた。
幸村はそれにも構わず近付き、壁にぴったりと寄り添い、体をちいさくしている佐助と目線をあわせると、頭を撫でた。
「どうした佐助。ちゃんと俺のいうことを聞け」
幸村の口は笑っているが、目は暗い愉悦によどんでいる。自分にふりかかる悪夢を思い出すと、佐助の体は勝手に震えだす。
「佐助?」
幸村はわざとらしく首を傾げた。なぜ、怖がるのだといいだげな顔。
佐助は背後に壁があるせいで逃げることも出来ぬまま、幸村が背中に伸ばしてきた腕に捕まる。
佐助はそれに引き付けでも起こしたかのように大袈裟に反応し、その手から逃れようと両手を伸ばし幸村を押し退けようとする。
しかし、幸村はびくともしない。
幸村は佐助の細い体を引き寄せて強く抱き締めた。
「駄目だぞ佐助。抵抗をしたら痛いのは佐助なんだからな?」
幸村は佐助の耳元で囁いた。
佐助の恐怖は最高潮に達し、幸村の腕の中で暴れはじめた。幸村は軽々と佐助の抵抗を封じて、畳の上に抑えつける。
幸村は佐助の両手を頭の上でねじあげ、着物を剥ぎとり裸にした。
やめてとちいさく訴える声を聞いたが、幸村はそれに笑みを見せただけで、聞く耳はもたなかった。
現れた小さな実にむしゃぶりつき、空いた手で自分の下衣を脱いだ。
現れた幸村の雄は既に固くなり初めていた。
佐助はそれを見て身震いする。恐怖なのか期待なのか分からぬものが体中を駆け抜けて、痺れを産んだ。
わかっているのは男を受け入れるのに慣れた体ですら、幸村のものに耐えるのはつらいということ。
課される苦痛と、永遠と続く拷問のような行為を思い出し、佐助はこのまま意識を手放したくなった。
幸村は佐助の足をもちあげて、秘所が上からよく見えるようにした。
その羞恥に佐助はぎゅっと目を閉じた。
菊座に指を這わすと、それだけで佐助はびくびくと震え、涙を溜めていやいやを繰り返す。
聞きわけのない子供のような態度に、かつての忍としての片鱗などかけらもなく、幸村はそれを心底楽しそうに見下ろした。
抱かれるとき、いつも余裕を見せていた忍を、ここまで変えたのは自分だと思うと言葉に言い表せぬ達成感のようなものがある。
滲み出る艶や色や匂いの壮絶さと、体中に走る熱さと駆け抜けるような快楽の強さといったら昔の比ではない。
それを味わえるのは自分だけだとおもうと一層、愉快になる。満たされた独占欲の果てにあるのは嗜虐で、愉快は佐助の弱い姿を残虐な瞳で見下ろした。
幸村が中に指を入れると、佐助は息を飲んだ。
ぐっと体がこわばるのが分かる。
「なあ、佐助……」
幸村が甘く低い声で囁いてくる。
佐助はそれにひっと出そうになる言葉を殺し、肩を縮めた。
「俺がちゃんと慣らしてから挿れてやると思ったか?」
幸村の穏やかな声に、佐助の背筋は粟立った。幸村は指をすぐに抜いて、佐助の蕾に自身をあてがった。
その感触に佐助は悲鳴をあげた。
「やだっいたいっ!いたいよ!」
まだ貫かれてすらいないのに、佐助は騒ぎたてる。暴れる佐助を封じるように幸村は無理矢理中に己自身の楔を打ち込み、佐助をわななかせた。
声にならぬ悲鳴が佐助の全身からほとばしり、声の出る限りまで叫び終えると、全身から力を失わせた。
ぼろぼろとこぼれる涙を唇で吸いとってやり、幸村は佐助が悪いのだぞ?と腰をゆるやかに動かしながら責める。
「俺に従わなければこうなることはわかっているだろう?
痛い思いをしたくなければ、ちゃんと俺に従え。わかったか?」
幸村の言葉に、佐助は必死にうなずいた。子供が親の機嫌を伺うような態度に幸村は忍笑いを漏らす。
ここで頷いても、どうせまた忘れるのだ。
もしくは、わかっていても恐怖が勝って幸村の言葉に従えない。
どちらにしても哀れな話だ。
哀れだと同情する感情があっても、佐助に強いる行為をやめることが出来ぬ自分自身もある種笑いの対象だ。
幸村は締め付けてくる狭い肉壁をかきわけ、佐助の中をえぐる。
佐助は高く悲鳴をあげて、幸村の耳の奥を心地よく刺激した。興奮して佐助の中を一際強くうがつと、きゅうと肉がせばまり、幸村自身の熱を絞りとるように締め付けてきた。
「……さっけっ」
絶頂を迎える声が佐助の耳を打つ。しがみつくものを求めて佐助の腕は幸村の背に回され、その強さに余計深く繋がった。
「ぁぁああああ!!」
中を擦られる快楽と肉を裂かれる苦痛に佐助は叫ぶ。
容赦なく突き上げてくるものに佐助は耐えず叫び、幸村は構わずに己の快楽だけ追った。
男の絶頂を感じ取り、佐助は強く首を振る。喉を引きつらせながら中に出すのをやめてと言葉少なく訴えるが、佐助のその願いも虚しく、佐助の中に男の欲の塊が注ぎこまれ、その衝撃に佐助は気を失った。
堕ちて堕ちて堕ちて。
壊されて壊されて壊されて。
何処まで壊せば飽きるのか。
それは彼自身も分からない。