愛してるという言葉にすら、もとがしさを感じる。今はただ、貴方を下さい
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「あ、……ああ」
漏れる声を押さえることができず、佐助は幸村のいいように体内を蹂躙され、鳴かされる。
熱い幸村自身が、繋がるその場所から己を溶かしてしまいそうな恐怖に、佐助の体が震えた。
晶との交わりとはない、熱い……熱い……
言葉ない幸村の想いが伝わってくるようで。
(俺は誰かの温もりだけで、満足できたのに)
幸村の嫉妬があまりにも心地良い。
偽りでいいと言ったのに。
過度の満たされた想いに、涙が溢れた。
(求めて、俺をもっと求めて)
晶との関係はこんなにも、己に安堵を与えてくれただろうか。
心の底から求められることがこんなにも幸せなんて今まで知らなかった!
知らない。
知らなかった。
今、初めて知った。
(愛しい。幸せ。好き。安堵。満足。喜び)
感情の洪水に流されて、押し潰されてしまいそう。
それすらも、幸福と甘受できて。
自分を求めてくる幸村が愛しくて。
「ゆき、むらぁ……!」
名を呼ばわる不敬も忘れていた。
繋がる息苦しさに負けじと。
ただ、愛しい男の名を呼ぶ。
「佐助……?」
己が犯す女の変化を感じ取り、幸村は佐助の目を見つめる。
潤んだ瞳は、まるで自分の瞳を鏡で写したように熱くて、愛しいという気持ちに溢れていた。
「佐助佐助佐助……!」
幸村は堰が壊れたように、名を呼んだ。
愛しい。
愛しい。
愛しくて大切で好きで愛していて、自分にとってかけがえのないもので!
言葉が不要なんて知らなかった。
本当の気持ちは目でわかってしまうなんて知らなかった。
「名を呼んでくれ……!」
もっと。
もっと。
もっと。
「ゆきむら…………!」
名を呼ばれ。
「佐助……!」
名を呼び。
己の想いの全てを、放った。
愛しくて。
苦しくて。
でも、恐いくらいに幸せ。
佐助は幸村を抱き締めた。幸村はそれを力強く抱き締め返す。
ぼろぼろと涙が溢れ、しゃくりあげながら、佐助は必死に訴えた。
「俺を……ひとり、にしないで」
「ああ」
「俺を……愛して……!」
「ああ……!」
「俺を、求めて、必要、として。そのためならなんだってするから!」
佐助の恐れのような激情を受け止め、佐助を強く抱き締める。
「そのように言わなくても、お前は、俺にとって、大切な者だ」
「うん……………うん…………」
幸村の言葉を確かめるように頷いて、「愛してるから」ととてもちいさな声で呟いた。
「ああ、俺も佐助を愛している……」
囁いて、抱き締めて、口付けて。
やがてそれは愛撫となり、密やかで秘めやかな情事が始まった。
熱く。
熱く。
熱く。
初めて通じ合った想いを喜ぶように、優しく、激しく。
淫らに乱れて。
それに煽られ、熱情をたぎらせ。
睦みあい。
ほだされて。
交じり。
愛しあう。
幸せを噛み締めて笑って。
泣いて。
指を絡めた。
嗚呼。それが罪になるなんて想わなかった。
嗚呼。それが罪だということを忘れていた。
貴方を愛しいと思うのは、貴方に愛しいと囁くのは、
偽 り だ か ら 許 さ れ る の で あ っ て 。
影でしかない、
闇に生きることしかできない、
孤独を耐えなければなあらない、
忍が……
許される訳ないのだ。
愛される資格などないのだ!
愛してはいけないのだ!
嗚呼。なのに貴方がいとおしく……
「愛している」