スランプスランプ


犬幸村×猫佐助


猫耳としっぽが生えてるやつらと、犬耳としっぽがはえてるやつらがあたりまえのように生きてる世界。

猫人が犬人を奴隷として扱ってる世界。

犬人の扱いは、主によってぴんからきりまで。

そういう世界観が嫌いなひとはブラウザバック希望です。

自分で書いててなんだかなあ……

な第二弾









2 お風呂



犬人の子供は佐助に対し酷く警戒していた。家に連れていこうとしても暴れて逃げようとする。佐助は意地になって子供を自宅まで引っ張っていった。犬人を猫人が飼うことは法に反してないとはいえ、気分はまるで人拐いである。
まずはシャワーだな、と佐助は上着の袖をまくる。まくってから、自分もシャワーを浴びて風呂に入るのだから意味がないと気付いた。

(ま、気合いの問題だよね)

佐助はひとりごち、脱衣所に子供を連れていく。薄汚れた子供の服を脱がせようとした。……が、これがまた困難であった。

「い、いやだ!なにをする!は、破廉恥だ!!!」

やけに古風なもののいいで、子供は佐助の腕を跳ね退け嫌がる。

「シャワーを浴びるだけだよ。このままじゃ風邪ひいちゃうだろ」

佐助は子供に説明するが、シャワーと聞いて更に嫌がり、脱衣所から逃げようとした。

「ちょっ、待ちなさい!」

「シャ、シャワーも風呂も嫌いだ!」

佐助は後ろから小さな体を羽交い絞めにする。体は佐助よりも小さいのに力は随分と強い。油断したらすぐに腕から逃れられそうで、佐助は手加減も出来ず抑えつける。

「我が儘言わないの!ご主人さまのいうことはちゃんと聞きなさい!」

拾われたばかりで主人と言われても納得出来ないだろうが、犬人は猫人に従わなければならないと幼い頃から身についた覚えを思い出してか、暴れる力が弱くなった。
佐助は内心失敗した、と子供に対して申し訳なさが募る。自分は決して、猫人と犬人の力関係を利用したいわけじゃないのだ。
犬人の子供を自分の好きなようにしたり、思うがままにしたりをしたいわけじゃない。主と奴隷のような関係を築きあげたいわけじゃない。
それでどんな関係を望んでいるのかと問われて答えられるほど、明確な考えをはっきりと持っているわけでもないのだが……
しん、と静まり大人しくなった子供の服を佐助はゆっくりとした手付きで脱がしていく。衣擦れのおとが微かに響き、その小さな音を気にするように佐助の耳はがぴくぴくと動く。
なんだか自分が変人のようでいたたまれない。
犬人に対して行うことに性交があると聞く。別に自分はそういう気があるわけではないのに、子供の服を脱がしているとまるで子供に対してそれを望んでいるかのように思えて、佐助は肩を落とした。
シャツの最後のボタンを外し、佐助は子供の白い肌を露にさせた。
滑らかな白い肌が現れて、張りのある色付いた小さな実がこぼれ落ちる。
そこで佐助は限界を感じる。誰に対してでもない罪悪感と後悔で胸が満たされて、それ以上脱がすのに抵抗を感じた。

「……あとは自分で脱いで……」

佐助はがっくりと肩を落として言い渡した。子供は返事も頷きもしなかったが、自分から下の衣服を脱いだ。

「ね、名前、なんていうの?」

聞くのが少し遅いな、と自分でも思ったが、連れてくるときはそんな暇がなくて訊けなかったのだから仕方あるまい。
佐助はぴっちりと張りついたシャツを脱ぎながら尋ねた。
ややあって幸村、と返答が帰ってきて佐助は先ほどまでの気分を払拭させるように明るい笑顔を見せた。

「そうか、幸村。これからよろしくね」

幸村は佐助の笑顔を見つめ、ふいと視線そらす。少しだけ頬を赤くそめて、うんと頷いた。

「俺はね、佐助っていうの」

幸村は口の中でちいさく佐助、と繰り返した。

「そ、佐助」

佐助は歯を見せて愛嬌たっぷりに笑う。
佐助は普段、何処か人を寄せ付けないところのあるきつい顔立ちをしているが、笑うとそれがとたんにやわらかくなって、幸村はそれにようやく警戒を解いた。

「佐助」

幸村は今度は佐助の顔を見つめ、再び名を呼ぶ。
何か大切な宝ものを見つけたように頬を興奮で紅潮させ、幸村は何度も何度も口の中でその名を繰り返した。
佐助は微笑ましそうに目尻を下げる。自分の名前をまるで大事なものでも扱うかのように呼ばれることがくすぐったくて、胸の中にが湯気がたつようにほわんと暖かくなった。

「ほら、幸村。お風呂にはいろ」

佐助は照れ笑いを浮かべながら湯を張った風呂に幸村を導く。元来犬人も猫人もわざわざ体を濡らす風呂やシャワーが好きではないが、好き嫌いで避けていい問題でもない。
二の足を踏んでいる様子の幸村を佐助は軽々と抱き上げる。

「苦手でも慣れなきゃ」

最初に佐助はシャワーを浴びた。幸村をだっこしたままお湯を浴びたら、幸村がいきなり爪をたててきて佐助は鋭く皮膚と肉を突き破る痛みに、叫んだ。

「いったぁっっっ!!」

幸村は佐助の悲鳴など聞かずお湯から逃れようと佐助の腕の中で暴れる。
佐助は幸村をおさえつけていることが出来ず、けっこうな高さのある場所から幸村をおとした。
幸村はびたんっと小気味いい音をたて尻もちをつく。佐助はその豪快な音に慌てて、悪くもないのにごめんとあやまった。
急いでシャワーの湯を止めて、腰を屈める。

「大丈夫!?痛くない?」

心配そうに見つめてくる幸村に男の意地か平気だ!と目をうるませながら意地を張った。腰と尻をさすっているところを見るに大層痛いのだろう。
医者に連れていったほうがいいだろうかと思ったが、佐助はすぐに首を振った。
"飼い主"付きでも犬人を見てくれる医者なんて希だろう。連れていっても、嫌な顔をされて親切ぶって新しいのを見繕えと勧められるのが落ちだ。

佐助が俊巡していると幸村の気配が変わった。幸村に目を向けると佐助を見つめて泣いていてそんなに痛かったのか、と佐助はどう手当てすべきか分からずおたおたと惑う。

「……っなさいっ」

ぽろぽろと大粒の涙を手のこうで拭いながら、幸村は佐助に謝る。
一体なんのことだと一瞬佐助は考えてたが、すぐに幸村が作ったひっかき傷に思いが至る。

思い出すとじくじく痛みだして顔をしかめそうになった。だが、ここで痛そうな顔をすれば幸村がいらぬ罪悪感にさいなまれることになるので、佐助は笑顔をみせ、

「気にしないで。そんなに痛くないから」

幸村の頭にぽん、と手をおく。

「嫌なのに無理矢理お風呂にはいらせようとした俺が悪いしね」

佐助は微笑むとタオルで幸村の体をわしゃわしゃと拭く。

「ね、だからそんなに泣かないで」

やさしげな瞳を向けられて、幸村はうんと頷き涙をぐっと堪えた。

「ごめんなさい……次からはちゃんと入る……」

ぐす、としゃくりあげて佐助に告げる幸村に、佐助は小指を差し出した。

「それじゃ、約束だね。次からは我慢してお風呂にはいろうね」

佐助の小指に、幸村は自分の小指を結ばせた。


to be contnew >>>>


最初の頃一緒にお風呂に入るのが習慣になって、大きくなってからも一緒に入るのが当たり前になってたらいいな。
きついから嫌だと佐助がいっても、幸村は佐助と一緒に入らないと水が怖いと、もうとっくに水に慣れてるくせに嘘を言って。
そのまま裏になだれこめ。




四既