微裏?
濡れた唇で囁く声に甘いものが含まれる。それは口に含んで唾液と絡ませたら溶けてしまいそうな儚い砂糖菓子に似ている。
ただ一度、食んだら溶けてきえて、その甘さをまた求めて、口に含みたくなる。耳の奥をもっとその甘い声で犯して欲しい。
じわじわと舌に染みこむやわらかな甘みのように、言葉が緩やかに耳朶をなぞり心地よく熱を生む。
声に犯され、言葉に溺れて、その甘いぬるま湯にひたったままいっそのこと窒息してしまいたい。
絡みつく腕に、逆に己の腕を絡ませて、離すまいと掴み返す。
後ろから抱きしめられ、耳朶を弄ばれている。貴方のことを抱きしめられないから、それが今、たったひとつ貴方にしめす執着。
俺の腕は水草だ。
貴方に絡んで、この幸せなぬるま湯からあがるのを邪魔して、一緒に溺れさせるんだ。
「だんな……」
酔ったように熱のこもった声に、幸村はなんだ?とおだやかに問う。
「おれ、いますげえ死にそう……」
しあわせすぎるという睦言に、幸村は忍笑いをもらし、どうせ死ぬならもっと幸せになってから死ね、と佐助にささやいた。
あああああああああああああああああああああああ。
バカップルめ
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