艶やかな揚羽蝶。ひらりひらりと飛ぶ其れを。
一度は手にしたというのに。
籠から出して逃がしてしまった。
美しい模様で化粧された。
その羽に。
伸びた手をぎゅっと握り。
空(から)を掴んだ拳を見つめた。
その拳の隣を通り過ぎていく。
小さな紋白蝶。
笑うように嗤うように哂うように嘲うように。
穏やかに静かに揚羽蝶を追う其れは。
俺の手にできなかったもの全てを手にしたのだ。





「旦那。暇だったら一緒に遠出しない?」
信玄が幸村の意見を無視して、佐助の休暇の願いを受理したその翌日のことであった。
佐助は荷物をまとめながら幸村に言った。
「ここ最近、働かせすぎでしょ? 俺だってたまには遊びたいわけよ」にこりと笑い、佐助は二、三日の暇乞いをしてきた。佐助が居ないと落ち着かなくなることを自覚している幸村は、それを一蹴するものの、佐助はすぐにお屋形さまに泣きついて、久方ぶりの休暇を手に入れた。
佐助は、仕事で幸村のもとをよく離れる。それ以外のときは幸村の傍にいるが、一緒にいる時間は矢のように過ぎてしまう。
ずっと一緒にいたいのに、それは叶わない。
しばらく戦はなく、佐助も仕事がない。
ようやく佐助と一緒にゆっくり過ごすことができると思ったのに……
そう、気落ちしていたときの誘い。
幸村は一も二もなく頷いた。
「知り合いのいる芸人の一座が、近くに来るらしくてさ。近くってもここから丸一日はなれたところにくるんだけださ」


なにをかきたかったのかというと、その旅芸人のなかに昔佐助ととも戦った忍がいて、そいつは旅芸人の女の子とくっついてしまった。黙っていたけど佐助はそいつが好きで、見に来ないかと誘われても、好きだった相手が女といちゃつくのを見たくない。いかないのも逃げるみたいでいや。
そこで幸村と旅芸人の芸を身にいくことになった・・・というおはなしになるよていでした。


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